「安全な暮らしをつくる新しい公/私空間の構築」研究開発領域

多様化する嗜癖・嗜虐行動からの回復を支援するネットワーク

PROJECT

プロジェクト

プロジェクト概要

このプロジェクトは、社会技術研究開発センターの公募プロジェクト
「安全な暮らしをつくる新しい公/私空間の構築」研究開発領域のひとつです。

社会的な孤立の病としてのアディクションと解決にむけた公私関係の再編 

アディクション 孤独 アルコール・薬物への依存、DVや虐待、性暴力、ギャンブル、万引き・摂食障害、インターネット依存などの多様な嗜癖(しへき)・嗜虐(しぎゃく)行動(アディクション)の背景要因には「社会的な孤立」があり、これに対応するには、「公」と「私」の領域を超える支援モデルが不可欠です。「公」は「官」と同じ意味ではありませんし、「私」は閉じられた領域ではありません。公私関係の再編は、協働する「あいだ」の創出、つまり空間・時間・仲間の構築とともに進むと考え、それをアディクションからの回復の課題において提言することとしました。
 しかし、現状では、公的支援間の分断のみならず、処罰への過信、自己責任論による当事者の孤立、家族への責任転嫁などが蔓延し、適切な支援が行なわれていません。「官」に傾斜した「公」となっていることや「私」の領域が家族的責任の名において閉塞しているといえる事態があります。
 本プロジェクトは、多様化する嗜癖・嗜虐行動をこうした公私関係の再編という新たな視座の下で再定義し、「アディクション円卓会議」(“えんたく”)により、当事者と支援者の間に課題をめぐる関係性を醸成することで、「公」と「私」の間にあらたな「共」となる多層的な「あいだ」をつくりだし、問題解決と課題共有のための「ゆるやかなネットワーク」の構築を目指します。

プロジェクトが考える「新しい公/私空間」とは 

支援 嗜癖・嗜虐行動(アディクション)の背景には「孤立」という共通の背景があります。たしかに、政府も、薬物依存、DVや虐待、性暴力などの個別問題については規制対策を進めています。最近では、ギャンブル、万引き、摂食障害、ネット、携帯電話などへの依存も、アディクションとしての対応が必要なのではないかといわれています。しかし、当事者やその家族にとっては、「公」の機関の閾(しきい)は高く、助けを求めるには勇気と決心が必要です。アディクションは「悪いこと(犯罪)」「恥ずかしいこと(逸脱)」というレッテルが張られるので、当事者は孤立し、「私」の中に閉じこもっていきます。
 わたしたちは、このような「公/私」の硬直した関係を打ち破り、当事者と支援者の「ゆるやかなネットワーク」を構築することで、嗜癖・嗜虐行動をめぐる回復のための場としての「新たな公共圏」を創り出そうとしています。